「生物はなぜ死ぬのか」を読んで

ー死の目的は何か、が問いかける危機とはー

この本を読むと
生物学的な視点から死生観をとらえることができ、心が落ち着く

動画:生物多様性によい農地では、
サギが1~2羽いたら1点だそうだ(農林水産省の農地の多様性)

1 .地球規模の危機

現在の地球に存在する
推定800万種の動植物のうち
少なくとも100万種は
数十年以内に絶滅する可能性があり、
これは過去最大、最速の大量絶滅時代なのだそうだ
(国際組織IPBES)

それを引き起こしているのは、
明らかに人類だ

生物多様性は、
地球38億年の最適解である
単に捕食関係だけでなく、
干潟は「海のゆりかご」と言われるが
いろいろな生物が生きられるように多様性がある

 

(写真は、布滝の近くで見つけたマリモのような藻?)

また、この多様性があるということは、
生産性と保存性の高いものが生きられる
という「正のスパイラル」が働きやすい、
進化と成長の可能性が高いということである、という

さて、生き物はなぜ死ぬのか

根本的な理由は、
種として生き残るため、
多様性のため、だそうだ

ヒトには、生き残るため
「変化(変異)と選択(絶滅あるいは死)」を繰り返し、
その進化の過程で、
細胞を死なせるプログラムが
遺伝子レベルで組み込まれている

なぜか?

この細胞の老化は、
活性酸素や異変の蓄積により
異常(がん化)になりそうな細胞を排除して、
新しい細胞と入れ替わる重要な働きがあるからだ

そして、ヒトはこの老化によって引き起こされた病気で、
免疫力の低下や組織の細胞の機能不全によって死ぬ

2.日本特有の危機

ところで、年齢階層別に見る
がんの死亡率(国立がん研究センター)のグラフを見ると
男女共に55歳から死亡率が急に上がる

ということは、
ゲノムの寿命は55歳ということもできるそうだ
その意味でも、
50歳過ぎたら、がん検診を受けたい

日本のがん検診の受診率は、
40%代で欧米の半分程度である

老化は、激しく変化する環境に存在し続けられるよう
沢山のプロトタイプを作るためプログラムされた戦略で、
そのお蔭で「生命の連続性」が途絶えることなく繋がってきた

ゆえ、生物は死ななければならない

「老化」は、種が生き延びるための
「可能性」と捉えることができないか

そして、試作品を生み出すには、
材料の確保、つまりターンオーバー
(作っては分解して作り変えるリサイクル)と
多様性を生み出す仕組み、
すなわち有性生殖が有効だった

3.教育や地域のコミュニティの危機

ところが、生物的に「生命の連続性」が
プログラムされたにもかかわらず、
社会環境や子育てに必要な要素が不足して、
子供を作れなくなる

また、心理的にも子供をつくりたくなくなる、ことで
人間自身がヒトを絶滅へと追いやっているかも知れない

もちろん、環境ホルモンなどの理由で、
子供ができなくなっていることもある

子供を産み育てるという生物の原則、重要性は、
ヒトにおいては本能としてではなく、
むしろ、生後に習得する社会習慣、
すなわち文化として継承されてきたものだとしたら

少子化は、筆者の言う
「教育や地域のコミュニティ」の役割が
希薄になっていることが原因であろう

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